源氏物語と十二宮(源氏物語のコスモロジー/大久保健治 著)
【源氏物語のコスモロジー】読了
早速読み始めています📚 pic.twitter.com/FobWrZwp4o
— やなか(占星術/四柱推命) (@etyanaka) 2019年3月20日
【源氏物語のコスモロジー―若紫はなぜ雀の子を飼い育てるのか】読み終わりました。
竹取物語と源氏物語はともに、宿曜経的な宇宙(黄道十二宮)と結びついているというお話。
現代のホロスコープにおける十二宮とは解釈が異なるけれど、はるか昔の物語のテーマを十二宮が担っていることに驚きを隠せません。
竹取物語と十二宮
竹取物語におけるかぐや姫は蟹宮(蟹)・帝は麿宮(山羊)
陰の宮に属する月の住人であるかぐや姫と、陽の宮に属する帝は、陰の宮に属する宝物を陽の宮に属する者たちが手に入れられないの同じく、交わることはない。
竹取物語はお話の展開も、新月から満月、そしてまた新月へと光と影の支配関係とともに進む。
源氏物語と十二宮
月の満ち欠けと物語が対応しているのは、源氏物語も一緒。
源氏物語は、全54帖・5部から成る物語であるけれど、第1部から第5部までは、月の満ち欠けに対応して描かれており、
- 新月から上弦の月(第1部・第2部 光源氏が輝きを増していく)
- 満月(第3部 光源氏の絶頂期)
- 下弦の月(第4部 光が弱まり影の支配)
- そしてまた新月(第5部 光源氏亡き後の世界)を描いている。
源氏物語の主題と十二宮
それぞれの部において、十二宮(正確には水瓶から牡牛までの4宮は省略され8宮)に対応した主題が設定され、それを5回繰り返している。
源氏物語で主題もなっている十二宮は
- 磨宮(山羊) 主題:闘争
- 夫妻宮(双子) 主題:咎
- 蟹宮(蟹) 主題:欺瞞
- 師子宮(獅子) 主題:子供
- 女宮(乙女) 主題:女子養育
- 秤宮(天秤) 主題:愚直
- 蝎宮(蠍) 主題:悪心
- 弓宮(射手) 主題:企み
(ちなみに水瓶から牡牛は省略され、主題とされていない)
どの宮も、現代の12サインの解釈とはやや異なります。
特に、天秤の【愚直】は、現在の解釈「天秤座の対応のスマートさ等」との違いに驚きます。
宿曜経の秤宮の解釈
元々宿曜経の秤宮の解釈は、
【宝庫を司る宮。心は正直、公平。真実を敬う】
→正直で公平、真実を敬うところから、源氏物語では”自分の心に嘘をつけない”という意味で【愚直】というテーマになっています。
源氏物語で【愚直】を主題に描かれているのは、末摘花や空蝉。あるいは、玉鬘に対する源氏その人。さらには柏木、女三の宮です。
裏テーマ的な「主題」
源氏物語は裏テーマ的な「主題」が規則性を持って繰り返されている。それぞれの部ごとの主題を繋ぐ伏線もしっかり張られている。
【源氏物語のコスモロジー―若紫はなぜ雀の子を飼い育てるのか】の副題となっている
“若紫はなぜ雀の子を飼い育てるのか”
これは、光源氏が幼い日の紫の上(若紫)に出会う場面が、女宮(乙女)を主題とした「女子養育」であるため。
女子=女(め)、雀の子=(すず「め」のこ)
若紫に雀の子を飼わせることで主題を暗にほのめかしている部分。
(実際には、若紫登場のシーンで若紫は雀の子を逃されてしまって泣いている)
さらには、この「め」は、
源氏が須磨に流されて、帝が目(め)を患う、さらに柏木が源氏に睨まされ死に追いやられる等、物語において重要な役割を果たしています。
源氏物語のコスモロジー
竹取物語は、求婚者のキャラクターや宝物まできちんと把握していなかったので、少々難しく感じるところもありましたが、分かればより十二宮との関わりや象徴しているものの納得感が出て面白そうです。
源氏物語は、主題が分かると内容の「そうだったのか…!」的な納得感があり、非常に面白く読み進められました。
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あさきゆめみし(漫画の源氏物語です)久しぶりに読みたいな📗